おいしい記憶

夏のあいだに体調を崩されていたお客さまが久しぶりにご来店されて
「入院中 ここの塩クッキーが食べたくて、食べたくて」
とおっしゃってくださった

くろねこのお店から離れた場所で 誰かが私の作ったものたちの
記憶を辿ってくれること
しかも 心細い病室のなかで しあわせな舌の記憶を思い出してくれること
なんてありがたいことなのでしょうか
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自分がお店をして そんなふうに言ってもらえる日が来たことがとても嬉しくて
元気になったお客さまの笑顔の来店とお言葉に心から感謝しました
ありがとうございます


私は大きな声では言えませんが
有名料理店で修行したわけでもありません 料理の知識もありません
材料に頑固なこだわりを持っているわけでもありません
ただ いつも おいしいしあわせな記憶を頼りに
心を込めてお料理をしています


母が作る鶏肉のケチャップ炒め 父が持ち帰るお土産の餃子
姉が誕生日に作ってくれたクレープとカスタードを重ねたケーキ
友達の家で作ってもらった甘い玉子焼き
塾帰りのコロッケ 土曜日に友達と食べるいろんなアイスの入ったパフェ

どれもこれも なんでもないたべもの
でも思い出すだけで 食べたくなって 顔がにやけてしまう
高級料理店では決して出ることのない とても高価なおいしい記憶


そんなおいしい記憶に再会するために
9月の15日(水)16日(木)17日(金) くろねこはお休みをいただきます
3日間の連休です どうぞよろしくお願いします
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大好きな場所の大好きな人が作るおいしいお料理に会いに
たくさん心と体に栄養をつけてきますね


今朝の私の朝ごはん[,h200,w280]

以前いただいたとき おいしすぎて一気に食べてしまった
お客さま手作りの干し柿
私が「美味しい!」と言っていたのを覚えてくださってたんですね
ありがとうございます
またひとつ おいしい記憶がふえました